復興庁は31日、2019年度に計上した東日本大震災の復興予算2兆7714億円のうち、39.5%に当たる1兆943億円が年度内に使われなかったと発表した。昨年10月の台風19号豪雨による工事の中断や、東京電力福島第1原発事故の除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の用地取得交渉の遅れが影響した。

 11~19年度の執行率はグラフの通りで、60%台は9年連続。未執行分のうち8126億円は20年度に繰り越した。使う見込みがなくなった2817億円は「不用額」として処理し、今後の事業費に充てる。

 主要事業別の執行率は、9224億円を計上した「原子力災害からの復興・再生」が51.7%(4768億円)で最も低かった。中間貯蔵施設関連が50.2%、帰還困難区域の復興拠点整備が53.4%にとどまり、どちらも用地交渉や除染作業の遅れが響いた。

 1兆1878億円を配分した「住宅再建・復興まちづくり」は58.7%(6968億円)。台風19号の影響で道路の復旧作業などに日数を要した。1027億円の「産業・なりわいの再生」は63.1%(648億円)、711億円の「被災者支援」は75.9%(540億円)だった。

 政府は11~20年度の復興財源として計32兆円を計上。除染や中間貯蔵施設など東電に求償する経費を除き、19年度までに計30兆1000億円を支出した。

 岩手、宮城、福島など11道県102市町村に配分した11~19年度の復興交付金は総額3兆1141億円。うち自治体が事業者と契約を済ませたのは3兆37億円(96.5%)に上った。

 被災地では今年2月ごろから、新型コロナウイルスの感染対策で工事を一時中断する現場があった。復興庁の担当者は「コロナの影響も一部あったが、全体的には台風19号が執行率を引き下げた」と述べた。