東京電力福島第1原発事故後、サツマイモの産地化に取り組んでいる福島県楢葉町に国内最大規模の貯蔵施設が完成した。町は新たな作物の生産を推進し、農業の復興に弾みをつけたい考えだ。

 貯蔵施設は鉄骨一部2階で、延べ床面積約4700平方メートル。貯蔵能力は最大1260トンで、19億4400万円を投じて町が整備を進めた。サツマイモの保存に適した温度、湿度を保ち通年出荷が可能になる。生産の中核を担う福島しろはとファーム(楢葉町)に無償で貸す。

 福島しろはとファームは、サツマイモ菓子専門店「らぽっぽ」を展開する白ハト食品工業(大阪府)のグループ会社。2017年度に町内で実証栽培を始め、約1.5ヘクタールに作付けした。20年度までに約42ヘクタールに栽培面積を広げ、21年度は50ヘクタールを見込む。

 原発事故からの農業再生と農家の営農再開を後押ししようと、町は主力の水稲に加え収益性の高い作物の栽培を導入し、新たな営農モデルの確立を目指す。

 14日に現地であった落成式で松本幸英町長は「生産から集出荷まで一貫して可能になり、営農再開に拍車が掛かると期待する。将来的には6次化までつなげたい」と話した。