宮城県松島町のマリンピア松島水族館跡地に17日、新しい観光施設「宮城県 松島離宮」がオープンした。JR仙石線松島海岸駅前の好立地で、松島湾周辺の滞在型観光を後押しする拠点となる。新型コロナウイルス感染拡大で観光客の減少に苦しむ中、町内の観光業関係者から期待の声が上がる。

 町内の1~9月の宿泊者数は計約21万1500人で、前年同期の50.5%にとどまる。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の効果で7月以降は増加したが、前年に比べ低水準が続く。

 松島旅館組合組合長の小松浩一小松館好風亭社長は「滞在時間が短いといわれる松島に目玉となる施設ができた。周辺の観光業者にも協力してもらい、1日では回りきれないほどの観光地に育っていけばありがたい」と期待する。

 「乗船客の獲得に向けた追い風になる」と話すのは松島島巡り観光船企業組合の高野裕太理事。10月の乗船率は前年同月の半分程度だが、「GoTo」の東京発着旅行追加と、紅葉シーズンに入って増えつつあるという。

 松島離宮では施設の一日入場券と、松島湾を巡る遊覧船の乗船券を組み合わせたチケットを販売する。高野理事は「既存の販売所でつかまえられない客もいる。組み合わせでお得感が出て、互いの利益にできる」と力を込める。

 松島観光の発着点となる松島海岸駅は現在、エレベーターなどバリアフリー設備のある新駅舎への改修工事を行っている。観光客らの利便性を高めて誘客につなげる狙いで、2021年冬に新駅舎の利用開始、22年春に工事完了を見込む。

 桜井公一町長は「駅周辺は町の玄関口だが、松島水族館がなくなって空白地帯になっていた。家族と一緒だったり学校の遠足だったりで、子どもたちに離宮を訪れてもらい、にぎわい創出を望みたい」と語った。