総務省消防庁と福島県、福島イノベーション・コースト構想推進機構は20日、災害現場で運用する小型無人機ドローンの普及に関する協定を締結した。消防庁が全国の消防本部に配置を目指すドローン運用アドバイザーの研修を、県が整備した福島ロボットテストフィールド(RTF、南相馬市)で実施する。ドローンの普及で消防庁と自治体が協定を結んだのは全国初。

 締結式が県庁であり、横田真二消防庁長官、鈴木正晃副知事、RTFを管理運営する機構の斎藤保理事長が出席した。RTFは土砂崩れなどの現場を再現した模擬施設を備え、横田長官は「実践に即した高いレベルの研修ができると期待している」と語った。

 消防庁の調査では6月現在、全国726消防本部の約4割に当たる309本部がドローンを保有し、うち209本部は実際の災害現場での運用実績がある。消防庁はより迅速で的確な被害把握や人命捜索につながるとして、さらにドローンの普及を進めたい考え。

 アドバイザーは各消防本部でドローン運用に携わる消防職員が専門の研修を経て認定され、普及啓発の指導的立場として活動する。消防庁は2019~23年度の5年間で150人を認定し、全都道府県に配置する方針。

 協定に基づき、県と機構は研修実施に協力する。RTFの研究開発拠点としての機能を高めるため、ドローン開発に携わる大学やベンチャー企業が消防関係者の「現場の声」を聞く際の仲介役も務めるという。

 県ロボット産業推進室は「ドローン開発は研究者だけではできない。災害現場という過酷な状況で実際に運用する消防職員の意見は貴重な情報だ」と述べ、実践と開発の相乗効果に期待する。