東北の地方銀行、第二地銀13行・グループの2020年9月中間決算が20日、出そろった。連結ベースの純損益は8行・グループで減収や赤字となった。長引く低金利政策で銀行を取り巻く環境が厳しいことに加え、新型コロナウイルスの対応で与信関係費用が増えた銀行が多かった。

 各行の主な決算内容は表の通り。純損益は4行で増益となり、みちのく銀行(青森市)が黒字に転じた。純損益の合計は33.7%減の167億5500万円で、5年連続の前年割れとなった。

 福島銀行は有価証券の含み損を一掃したことや新型コロナ関連の引当金を増やしたため、赤字に転落。加藤容啓社長は「含み損を一掃できたのは本業収益が黒字になったから。下半期は上半期よりいい数字を予想している」と説明した。

 荘内銀行(鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に持つフィデアホールディングス(HD、仙台市)は減益だが、田尾祐一社長は「有価証券売却益で利益が出た。決算全体でコロナの影響を挽回した」と話した。

 減益となった東邦銀行の佐藤稔頭取は「長期的なマイナス金利政策を背景とした有価証券利益の減少などが要因」と分析した。岩手銀行の田口幸雄頭取は「新型コロナより、金融緩和や銀行間競争激化の影響が大きい」との見方を示すなど、長引く低金利環境への懸念も強い。

 みちのく銀行(青森市)は前年、大口の不良債権の発生で与信費用が膨らんで赤字だったが、今年は黒字を回復。青森銀行は有価証券関係損益が想定を上回るなどして5年ぶりの増益となった。

 与信関係費用は8行・グループで増え、合計で16.2%増加。東北銀行(盛岡市)は大口先の格下げで増加したが、村上尚登頭取は「新型コロナの直接的な影響は限定的。事業者に寄り添った継続的な支援で抑制は可能」と強調する。

 秋田銀行は手厚く与信費用を見込んだが、大幅増加せず前年並み。それでも新谷明弘頭取は「下半期はまだ見通せず、当初見込みは修正しない」と慎重だ。

 七十七銀行も予防的に引き当てをして前期比で大幅に増えたが、通期で80億円の見込みも変更しない。当初計画を下回って戻し入れ益があった北都銀も、下半期は予防的な運営を継続。各行とも新型コロナに備える姿勢は崩さない。

 本業のもうけを示すコア業務純益は6行で減少。合計で10.4%増の417億6000万円だった。

 2021年3月期の純損益見通しは6行が減益、じもとHDと福島銀が赤字を見込む。みちのく銀は黒字に転換する見通し。

 5月に通期予想を発表した12行・グループのうち、中間決算までに6行・グループが純損益を修正。5月に未定としていた福島銀は8月に発表した。