東北大と山形大などの研究グループは、市民がスマートフォンなどで撮影した写真を活用し、マルハナバチ類主要6種のうち、気温上昇で5種の国内分布が縮小したと推定されるとの調査結果を発表した。特に北海道での減少が顕著だった。既に個体数の激減は確認されていたが、全国規模の市民参加型の調査で新たに生息域が狭まっていることが裏付けられた。

 マルハナバチは体長2~3センチで、国内には十数種類の在来種が生息。キク科、マメ科、シソ科の花粉の運び役として知られる。寒さに強く、早春や寒冷地での受粉に重要な役割を果たしている。

 グループは2013~15年、ウェブサイトや会員制交流サイト(SNS)を通じて撮影の協力を呼び掛け、全国から寄せられた位置情報付きの4000枚以上の写真と環境データを基に分布を推定した。

 その結果、過去四半世紀の気候変動により、コマルハナバチを除く5種の分布が縮小したことが推定された。山間部や高地に生息するオオマルハナバチとヒメマルハナバチは、北海道で減少が顕著だった。

 トラマルハナバチの分布縮小は土地利用の変化が影響していた。森林面積が1平方キロメートル当たり75%以上になると、花が咲く草原などの面積が不足する。縮小した地域は針葉樹の人工林や2次林、農地が多かった。

 東北大大学院の大野ゆかり助教(理論生態学)は「市民参加型の調査で、受粉を手助けする重要な送粉者であるマルハナバチ類の分布変化が推定できた」と調査の意義を強調した。